星空男子~東大生かなたのブログ~

星空好きな東大生が、星空と神話の記事を書いています。

おうし座|星団の宝庫!アルデバランと神話も解説

1.おうし座の基本・一等星アルデバラン

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画像出典元:Unsplash

おうし座は、冬の夜空を彩る星座です。

黄道十二星座の一つで、星座占いでもよく耳にしますね。


おうし座には一等星アルデバランがあります。

アルデバランは明るいオレンジ色をしており、牡牛の目に位置しています。

アルデバラン赤色巨星で、太陽の50倍の直径を持っています。

冬のダイヤモンドを構成していることでも有名ですね。

アルデバランの語源はアラビア語で「あとに続く者」という意味です。

プレアデス星団が昇ってきたあとに昇ることから名付けられました。

2.おうし座は魅力が満載!!プレアデス・ヒヤデス星団

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画像出典元: Antonio Fernandez-Sanchez

おうし座は多くの星団がみられることで有名です。


外せないのは、肉眼で星の集まりに見えるプレアデス星団

平安時代清少納言枕草子に記述されており、

「すばる」の名で日本でも古くから親しまれてきました。

ハワイにある「すばる望遠鏡」の由来ですね!


ヒヤデス星団も有名で、牡牛の顔あたりにあるV字型の星団です。

一等星のアルデバランはヒヤデス星団と同じ方向に見えますが、

たまたま近くに見えるだけで、同じ星団ではありません。


他にも、藤原定家が「明月記」に記したことでも知られている、

超新星残骸のカニ星雲などが有名です。


おうし座は、昔の日本人にとっても大切な星座だったのですね!

3.おうし座のギリシャ神話

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画像出典元:Unsplash

おうし座のギリシャ神話にはいくつか伝わっているものがあります。

ここでは、そのうち2つを紹介しますね!


1.川の神イナコスの娘・イオの説

イオは大神ゼウスの妻・ヘラの神殿に仕える女性です。

イオはとても美しい女性で、仕事もできる快活な性格でした。

その性格からゼウスにとても気に入られてしまい、愛されてしまいました。


夫ゼウスとイオの関係に気づいたヘラは激怒し、イオを牛の姿に変えてしまいます。

そして二度と外に出てこられないように、100の目を持つ怪物アルゴスの監視のもと、

牛小屋に監禁されてしまいました。


これをかわいそうに思ったゼウスは、イオの父親で川の神のイナコスや、

伝令神のヘルメスに助けに向かわせました。

救出劇の末に、イオはなんとか助けられて元の姿に戻ることができました。

 

おうし座はその時のイオの姿を表しています。


2.ゼウスによるフェニキアの王女・エウロパの誘拐

フェニキアの王女・エウロパは絶世の美女と噂されるほど美しい姿をしていました。


美女エウロパの噂はどんどん広がり、ゼウスの耳にも届いていました。

そして、ゼウスはエウロパの誘拐を企むのです。


ある日、エウロパが野原で遊んでいると、1匹の白い牛を見つけました。

牛の毛並みはとてもツヤツヤとして、上品な触り心地でした。

エウロパはその牛に心を許し、牛の背中に腰を下ろしてしまいました。


その瞬間、白い牛は立ち上がり、エウロパを乗せて猛スピードで走り出しました。

その牛はゼウスが変身した姿だったのです。


エウロパは牛の背中から降りることができず、

そのままゼウスの住む大陸に誘拐されてしまいました。


「ヨーロッパ」という地域の呼び名は、エウロパが上陸したことで名付けられた

と言われています。


それにしても、ゼウスは誘拐しすぎですよね、、

ゼウスが美少年を誘拐した神話は、下の記事で紹介しています。

合わせて見てみてくださいね!

hoshizora-danshi.hateblo.jp


4.まとめ

いかがでしたか?

おうし座には、一等星アルデバランがありました。

プレアデス星団などの星団が、日本でも古くから親しまれてきたようですね。

黄道十二星座ということで星座占いでも有名なおうし座ですが、

ぜひ神話なども、大事な人に話してみてくださいね!

 

こぐま座|北極星が変わる!?ポラリスと神話

1.こぐま座(英語:Ursa Minor)と北極星ポラリス

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画像出典元:Unsplash

こぐま座は一年を通してみられる星座です。

α星のポラリスは、北極星として有名ですね。


北極星とは、天の北極に一番近い恒星のことです。

つまり、北極星のある方角が北ということですね!


実はこの北極星は、3000年に一度いれかわります。

現在の北極星ポラリスですが、前回の北極星はコカブ(こぐま座β星)、

1万年前の北極星はこと座のベガでした。

 

これは地球の時点に若干のズレが生じていくことに原因があります。

ちなみにあと1万年経つと、もう一度こと座のベガが北極星になります。


織姫様が北極星になるのは素敵ですね!

2.こぐま座の神話

こぐま座のモデルになったのは、ギリシャ神話の狩人アルカスだと言われています。

こちらの記事で紹介しているので、ぜひこちらを読んでみてくださいね!

hoshizora-danshi.hateblo.jp

3.まとめ

いかがでしたか?

こぐま座には北極星ポラリスがありましたね。

こぐま座の神話は他記事で紹介しています。

親子の悲しい神話は有名で、ぜひ語れるようになっていただきたいので

合わせて読んでみてくださいね!

こいぬ座| [適当すぎww]話題の形・神話とプロキオンの由来

1.こいぬ座(英語:Canis Minor)の基本情報と1等星プロキオン

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画像出典元:Unsplash

こいぬ座は冬の夜空を彩る有名な星座です。

1等星のプロキオンは、ベテルギウスシリウスと共に冬の大三角を構成しています。


地球からの距離は11光年とかなり近い恒星です。

これは、おおいぬ座シリウスまでとほとんど同じくらいの距離です。


ちなみにプロキオンの語源は「犬のさきがけ」という意味です。

いったいどういう意味なのでしょうか。


これには、おおいぬ座シリウスが大きく関わっています。

少し古代エジプトにタイムスリップしてみましょう。


古代エジプトでは天文学が発達し、盛んに行われていました。

特にシリウスは「犬の星」と呼ばれ、大切な星でした。

ナイル川が氾濫する時期になると、夏の夜明け前にシリウスが昇ってくるからです。

当時の王様には、洪水を人々に教える義務がありました。

なんとかシリウスが昇ってくるのを予言することはできないか、、

そこで活躍したのが、シリウスよりも少し早く昇ってくる星のプロキオンです。


プロキオンが昇ってくることで、古代エジプトの人々は

「もう少しで洪水がくるのだな」と準備をしていたと言います。


おおいぬのシリウスに先だって昇ってくる星、ということで

プロキオン(犬のさきがけ)と呼ばれるようになりました。


今呼んでいる名前には、遥か昔のエジプトに由来があったのですね。

2.適当すぎ!!と話題、こいぬ座の形

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画像出典元:Unsplash

冬の大三角でも有名なこいぬ座ですが、なんと2つしか星がありません。

星と星を繋いでもただの一本線!!


どこが子犬やねん!!


うどん座とか、えんぴつ座とかだったらわかりますが、、子犬には見えませんよね笑


昔の人は、ものすごい想像力をしていたのですね、、、

私の予想だと、オリオン座をみた人が


「あ〜オリオン座の近くに、オリオンの猟犬っぽいのが2個あるなあ〜。

 よし!!おおいぬ座こいぬ座!!!!」


くらいのテンションで決めたんだと思います笑

3.こいぬ座の神話

こいぬ座の神話には、オリオンが連れていた猟犬であるという話や、

狩人アクタイオンが連れていた猟犬であるという話があります。


狩人アクタイオンの話は、こちらのおおいぬ座の記事でご紹介しています。

ぜひ読んでみてくださいね!

hoshizora-danshi.hateblo.jp


4.まとめ

いかがでしたか?

こいぬ座にはとても深い由来をもつプロキオンがありました。

ネット上でも適当すぎと言われていたプロキオンの形も面白かったですね。

冬の大三角のひとつということで、しっかり話せるようにしておきたい星座ですね!

 

おおぐま座|[歴史上で大活躍!]しっぽの北斗七星と神話

1.おおぐま座(英語:Ursa Major)の基本知識

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画像出典元:Unsplash

おおぐま座は一年を通して、全ての季節で見られる星座です

大きな熊の姿をしています。

特に春から夏にかけて、夜空の高い位置に見ることができます。


おおぐま座のしっぽは、みなさんご存知の北斗七星ですね。

ちなみに、北斗七星の「斗」という漢字は柄杓(ひしゃく)のことを表しています。

北斗七星は遥か昔から、重要な役割を果たしてきました。

次の章では、北斗七星が果たしてきた重要な役割についてお話しします。

2.視力検査や航海術にも!北斗七星が果たしてきた役割

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画像出典元:https://images.nasa.gov/

北斗七星は、日本だけでなく世界中で古くから親しまれてきました。

ここでは、北斗七星が世界中で果たしている役割をご紹介します。

1.視力検査

北斗七星の持ち手の部分、端から2番目の星ミザールは

その昔、砂漠の兵士たちの視力検査に使われていました。


ミザール自体は2等星なので、見つけるのは簡単ですが、

そのすぐ隣の星には、4等星のアルコルがあります。

この4等星アルコルがしっかり見えることが、兵士の必須条件でした。

みなさんはアルコルをしっかり見分けられますか?

 

とは言っても、日本の都会の夜空ではなかなか見えづらいです。

実は、日本に住む私たちにぴったりの視力検査が、北斗七星にまだあるんです。

 

北斗七星は、6つの2等星と1つの3等星から構成されています。

北斗七星は夜空で目立つのに、一つも1等星ではないというのは意外ですよね。


ちょうど柄杓の真ん中の星、メグレズは北斗七星で唯一の3等星です。

この3等星メグレズが見えるかどうかが、いい視力検査になります。


実際に夜空を見上げてみると、意外と見えづらいことがわかります。

ぜひ大切な人と、一緒に視力検査を試してみてくださいね。

2.北極星を探す〜夜空のコンパス〜

北斗七星は、カシオペア座とともに北極星を探すためのコンパスとして

大昔から、船乗りや旅人たちに重宝されてきました。


具体的な北極星の探し方をご紹介します。

北斗七星の先っぽ、水をすくうフチの端の長さを1とします。

そしてその長さを、柄杓の上方向に5倍するのです。

すると、ちょうど北極星に突き当たります。


このようにして、昔の人たちは北極星を探してきました。

小学校の頃に習ったことがある人も多いかもしれませんが、

ぜひ一度、夜空を眺めて北極星を探してみてくださいね。

3.おおぐま座の神話

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画像出典元:Unsplash

おおぐま座には、悲しい親子の神話があります。

ギリシャ神話には悲しい物語が多い気がしますね、、。


おおぐま座のモデルになったのは、カリストという美しい女性です。

カリストは、月と狩の女神アルテミスに仕える侍女でした。

カリストはアルテミスにとても気に入られていました。


しかし、カリストはアルテミスの父である大神ゼウスに見初められ、

男の子を身ごもってしまいます。


侍女カリストの不貞に腹を立てたアルテミスは、

カリストをおおぐまの姿に変えてしまいました。

そして熊になったカリストを森の奥へと追いやってしまいました。


それから時はたち、カリストが生んだ男の子アルカスは、

狩の名手となり、立派に成長しました。

ある日、熊になったカリストが森の中を歩いていた時のこと、

成長して立派な狩人になったアルカスとばったり出会います。


カリストは、息子の姿をみて喜びのあまり近づいて行きましたが、

アルカスはその熊が母親であることを知りません。

そして、アルカスによってカリストは矢で射抜かれてしまいます。


これを見ていたゼウスはこの親子を哀れに思いました。

そしてカリストおおぐま座に、アルカスをこぐま座にしました。


悲しき親子の物語が、おおぐま座こぐま座にはあるんですね。

4.まとめ

いかがでしたか?

おおぐま座には、とても大切な北斗七星がありましたね。

航海術や視力検査に使われてきましたが、現代の私たちも実際に使えます。

人間は進化しても、夜空はずっと変わらないんですね。

カリストの神話の話も覚えておくと、夜空をより楽しむことができそうですね!

おおいぬ座|全天一の明るさ!シリウス・超巨星VY星とギリシャ神話

1.おおいぬ座(英語:Canis Major)の基本情報

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画像出典元:Unsplash

おおいぬ座は冬の夜空を彩る代表的な星座です。

-1.1等星のシリウスは全天一の明るさを誇っています。


シリウスは、ベテルギウスプロキオンとともに冬の大三角を構成しており、

冬の夜空で非常に見つけやすい星となっています。

ぜひ夜空を探してみてくださいね。


2.宇宙一大きい!?おおいぬ座の超巨星vy星とは

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画像出典元:Unsplash

おおいぬ座VY星はネット上でも有名な赤色超巨星です。

その直径はなんと、太陽の1440倍と言われています!

おおいぬ座VY星は、発見されている恒星の中では9番目の大きさですが、

21世紀初頭にコーネル大学の研究チームが再測定を行うまでは、

直径が太陽の1800~2100倍だと考えられており、

宇宙一大きい恒星だと考えられていました。


こんなに大きな恒星でも9番目だなんて、、

宇宙はおそろしく大きいですね!!


ちなみに宇宙一大きい恒星は、はくちょう座V1489星です。

他記事で紹介しているので、こちらも見てみてくださいね。


3.おおいぬ座の神話

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画像出典元:NASA/JPL-Caltech/University of Wisconsin

おおいぬ座ギリシャ神話を紹介します。

ちなみにおおいぬ座には、多くの神話が存在しています。

犬は人間にとって馴染み深い動物ですもんね!


一般に広く知られているのは、オリオンの猟犬の物語です。

オリオン座とおおいぬ座が近くにあることからも納得できますね。

今回は、アクタイオンの猟犬の話をご紹介します。


アクタイオンはフェニキアの王カドモスの孫で、

とても腕の良い、狩人の青年でした。


アクタイオンは、何頭かの猟犬をいつも大切にしており、

特に、メランポスという忠犬を大切にしていました。


ある日のこと、アクタイオンが猟犬たちと森の奥へ狩りに出かけると、

美しい泉の中で裸体で水浴びをしている、女神アルテミスを見つけました。

アクタイオンは女神アルテミスに出会えたことに、とてもびっくりしました。

そして、あまりにも美しい女神アルテミスの裸体に見とれて

ずっと水浴びの様子を眺めてしまいました。変態ですね。


しかしアルテミスはそれに気づき、裸体をみられたことを激怒します。

「この変態!お前なんかこうしてやる!」

そう言うとアルテミスは、泉の魔法でアクタイオンを鹿の姿に変えてしまいました。


鹿になったアクタイオンは必死に元の姿に戻ろうとしましたが、

しゃべることも、うまく歩くこともできません。


女神アルテミスに許しを請おうとするも、

アルテミスはすでに消えてしまっていて、どうしようもできませんでした。


そこへ、忠犬メランポスと猟犬たちがやってきました。

「おおメランポス!私だ、アクタイオンだよ!助けておくれ!」

アクタイオンは、自分の存在を必死にアピールし、助けを求めました。


しかし猟犬たちにとっては、アクタイオンは1匹の鹿にすぎません。

アクタイオンの必死の訴えも全くメランポスの耳には届かず、

結局、アクタイオンは猟犬たちに襲われ、命を失ってしまいました。


アクタイオンかわいそう、、、というオチですが、

星座になったのは悲劇の変態アクタイオン、ではなく猟犬たちでした。


女神アルテミスは、変態アクタイオンをやっつけた猟犬たちを

とても褒め称えたそうです。

そして、メランポスたち猟犬を星座にしたのです。


星座の成り立ちって、本当に面白いですよね。

4.まとめ

いかがでしたか?

おおいぬ座は全天一明るい星、シリウスを擁していました。

それだけでなく、赤色超巨星VY星も有名な星でした。

アクタイオンの神話の話も覚えておくと、一目置かれるでしょう。

 

 

 

 

オリオン座|ついに超新星爆発!?ベテルギウスと狩人オリオンの神話

1.オリオン座(英語:Orion)の基本情報

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画像出典元:pixabay

オリオン座は冬を代表する星座のひとつで、狩人オリオンの姿を星座にしています。

オリオン座には1等星がふたつあります。

 

1つ目のα星ベテルギウスシリウスプロキオンとともに冬の大三角を形成し、

そしてβ星のリゲルは、6つの一等星からなる冬のダイヤモンドを形成しています。


ちなみに、リゲルとベテルギウスはとても対照的な星で、

リゲルは若くて高温の青白い恒星ですが、ベテルギウスは年老いた赤色の恒星です。

オリオン座には馬頭星雲やオリオン大星雲など、美しい星雲が多く存在しています。

 

2.ベテルギウスはもう消えた?超新星爆発

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画像出典元: pixabay

2019年10月、突如ベテルギウスの明るさが急激に減少し、話題となりました。

ベテルギウスはもともと周期的に明るさが変わる変光星ですが、

今回は元の明るさの半分以下となり、異常に暗くなってしまったのです!!

 

冬の大三角を構成するベテルギウスが、かなり小さくなってしまったことを受け、

天文学者たちはかなりパニックになりました。

なにせ、こんな現象は他の星では見たことがなかったからです。

 

数多くの説がありますが、やはり超新星爆発の前兆であるという説を唱える学者が

多く存在しています。

 

寿命を迎えた赤色巨星は、重力の崩壊を起こし爆発するのですが、

その直前に大量のちりを放出するというのです。

今回の減光は、そのチリによるものだという説です。

 

もし、ベテルギウスが爆発したらどうなるのでしょうか?

超新星爆発によるエネルギーは凄まじく、

地球では、昼間でも満月ほどの明るさになると言われています。

 

ちなみに、ベテルギウスは地球から約600光年離れています。

つまり、もし今ベテルギウスの爆発が見えたら、

それは600年前に起こった爆発なのです!!

もしかしたらもう、ベテルギウスは爆発しているのかもしれませんね。

 

3.狩人オリオンの悲しい神話

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画像出典元:pixabay

オリオンは、海の神ポセイドンの息子で、狩の名人でした。

絶対に倒すことができないと言われていたキオス島の怪獣を退治したこともあり、

その狩りの腕は、とても素晴らしいものでした。

 

オリオンの死に関しては、さそり座の毒さそりに刺された話など、

いろいろな話が作られていますが、今回は狩りの女神アルテミスとの話を

ご紹介したいと思います。

 

オリオンがクレタ島に行った時のお話です。

クレタ島には、狩と月の女神アルテミスが住んでいました。

アルテミスも狩りの名手でしたが、オリオンの狩りの腕に惚れ込み、

二人はやがて一緒に狩りに行くようになりました。

そして、ふたりは恋に落ちていったのです。


しかし、仲良く狩りをするふたりをよく思わない人物がいました。

アルテミスの兄である、音楽と太陽の神アポロンです。

アポロンはオリオンのことが好きではなかったのです。


ある日のこと、アポロンははるか遠くの海上を歩くオリオンを見つけました。

(余談ですが、オリオンは海の神ポセイドンの息子なので海上を歩けます!)


するとアポロンは、オリオンに気づかれないように光を操り、

オリオンの頭に光を当て、輝かせました。


そして、妹のアルテミスにこう言ったのです。

「お前がいくら狩の女神でも、あの遠くの小さな光を射抜くことはできまい」


アルテミスはこの言葉にカチンと来て、

「私に射抜けないものはないわ!!」

と言って弓をとり、その光を見事に射抜いてしまったのです。


後日、その海岸に弓矢で頭を射抜かれたオリオンの亡骸が流れ着きました。

それを知ったアルテミスは、ようやくアポロンの策略を知り、

ひどく落ち込みました。


その後、アルテミスは父であるゼウスに頼み、

オリオンを星座にしてもらったそうです。


自分のせいで恋人を殺めてしまったという悲しい物語ですね。

 

まとめ

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画像出典元: PL / NASA、NOAO、ESAハッブルヘリテージチーム、STScI / AURA

いかがでしたか?

オリオン座は、とても見つけやすくなじみ深い冬の星座ですね。

一等星ベテルギウス超新星爆発の話は、かなり有名です。

オリオンの神話も含め、話せるようにしておくと、

教養の深さをアピールできますね!!

 

 

こと座|ベガとリング星雲(M57) 悲しいオルフェウスの神話

1.こと座(Lyra)の基本情報

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出典: pixabay

こと座(Lyra)は夏の代表的な星座です。

1等星のベガは、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルとともに

夏の大三角を成しています。

ベガは七夕伝説の織姫星として有名ですね。

ベガは夏の星座の中ではもっとも明るい星で、0.0等級の明るさとなっています。

とても明るいため、とっても簡単に見つけることができます。

その明るさから「真夏のダイヤモンド」「空のアーク灯」などと呼ばれたりもします。

2.こと座の神話 |悲しい話・オルフェウスのたて琴

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出典: pixabay

オルフェウスは、音楽の女神カリオペーとトラキア王の間に生まれた、

ギリシャで一番の音楽家でした。

オルフェウスがたて琴を演奏すると、その音色の美しさから

猛獣でさえ、おとなしく音楽に聞き入ってしまったそうです。

 

オルフェウスは、美しい妻エウリディケとともに新婚生活を楽しんでいました。

しかしある日、エウリディケは草むらに隠れていた毒蛇に噛まれてしまい、

亡くなってしまいました。

悲しみにくれたオルフェウスは、死者の国から

エウリディケを連れ戻すことを決意します。

オルフェウスがエウリディケへの愛を歌い、たて琴を演奏すると

草木が死者の国への道を示してくれました。

その後も地獄の番犬ケルベロスや、三途の川の渡し守カロンに行く手を阻まれますが、

たて琴の演奏で感動させ、道を進んでいきました。

そしてオルフェウス冥界の王ハデスのところまでたどり着きました。

オルフェウスはハデスに願いを伝えるため、ハデスの前で情熱的な演奏をしました。

するとハデスは演奏に感動し、生まれて初めて涙を流したと言われています。

冥王ハデスは、オルフェウスがエウリディケを連れ戻すことを許しました

ただし、そこにはある条件がありました。

「冥界を出るまで、決して後ろを振り返ってはならない。」

オルフェウスはエウリディケの手を引き、地上への道をぐんぐん進んでいきました。

そして地上の光が見えた時オルフェウスは幸せに満ちあふれました。

これでまた、エウリディケと一緒に暮らせるんだ!


その時、あまりの喜びにオルフェウスはつい後ろを振り返ってしまったのです。

その瞬間、エウリディケは煙のように消えてしまいました。

 

ひとり地上に戻ったオルフェウスでしたが、

エウリディケを失った悲しみは深く、彼は大変苦しみました。

そしてついにオルフェウスは死んでしまいました。


その後、音楽の神アポロンオルフェウスを偲び、

彼のたて琴を夜空に上げて、星座にしたそうです。


こと座には、こんなに悲しい神話があったんですね、、

3.リング星雲(M57)とダブルダブルスター

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                                  出典: NASA/JPL-Caltech/ESA, the Hubble Heritage Team STScI/AURA

こと座は小さいですが、天体観測に人気の天体がいくつかあります。

この画像のリング星雲(M57)は、美しいですね。ドーナツ星雲とも呼ばれています。

太陽の数倍の質量を持つ恒星が寿命を迎え、

ガスを大量に放出することによって見られる天体です。

ドーナツ星雲とも呼ばれるため、中央部は空洞に見えますが

中には物質がぎっしり詰まっているそうですよ。

ダブルダブルスターは、ベガのすぐお隣にある二重星です。

肉眼では4等星に見えますが、これを望遠鏡で見ると

4.6等星・4.7等星の二重星だと言うことがわかります!


それにしても可愛い名前ですね、、だぶるだぶるすたー笑

まとめ

いかがでしたか?

こと座は小さいですが魅力がたくさんある星座でしたね。

ベガはとても明るく、簡単に見つかるので、ぜひ夏の夜空を探してみてくださいね。

こと座の神話は悲しい物語ですが、人に話せるとロマンチックですよね!