星空男子~東大生かなたのブログ~

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おおぐま座|[歴史上で大活躍!]しっぽの北斗七星と神話

1.おおぐま座(英語:Ursa Major)の基本知識

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画像出典元:Unsplash

おおぐま座は一年を通して、全ての季節で見られる星座です

大きな熊の姿をしています。

特に春から夏にかけて、夜空の高い位置に見ることができます。


おおぐま座のしっぽは、みなさんご存知の北斗七星ですね。

ちなみに、北斗七星の「斗」という漢字は柄杓(ひしゃく)のことを表しています。

北斗七星は遥か昔から、重要な役割を果たしてきました。

次の章では、北斗七星が果たしてきた重要な役割についてお話しします。

2.視力検査や航海術にも!北斗七星が果たしてきた役割

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画像出典元:https://images.nasa.gov/

北斗七星は、日本だけでなく世界中で古くから親しまれてきました。

ここでは、北斗七星が世界中で果たしている役割をご紹介します。

1.視力検査

北斗七星の持ち手の部分、端から2番目の星ミザールは

その昔、砂漠の兵士たちの視力検査に使われていました。


ミザール自体は2等星なので、見つけるのは簡単ですが、

そのすぐ隣の星には、4等星のアルコルがあります。

この4等星アルコルがしっかり見えることが、兵士の必須条件でした。

みなさんはアルコルをしっかり見分けられますか?

 

とは言っても、日本の都会の夜空ではなかなか見えづらいです。

実は、日本に住む私たちにぴったりの視力検査が、北斗七星にまだあるんです。

 

北斗七星は、6つの2等星と1つの3等星から構成されています。

北斗七星は夜空で目立つのに、一つも1等星ではないというのは意外ですよね。


ちょうど柄杓の真ん中の星、メグレズは北斗七星で唯一の3等星です。

この3等星メグレズが見えるかどうかが、いい視力検査になります。


実際に夜空を見上げてみると、意外と見えづらいことがわかります。

ぜひ大切な人と、一緒に視力検査を試してみてくださいね。

2.北極星を探す〜夜空のコンパス〜

北斗七星は、カシオペア座とともに北極星を探すためのコンパスとして

大昔から、船乗りや旅人たちに重宝されてきました。


具体的な北極星の探し方をご紹介します。

北斗七星の先っぽ、水をすくうフチの端の長さを1とします。

そしてその長さを、柄杓の上方向に5倍するのです。

すると、ちょうど北極星に突き当たります。


このようにして、昔の人たちは北極星を探してきました。

小学校の頃に習ったことがある人も多いかもしれませんが、

ぜひ一度、夜空を眺めて北極星を探してみてくださいね。

3.おおぐま座の神話

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画像出典元:Unsplash

おおぐま座には、悲しい親子の神話があります。

ギリシャ神話には悲しい物語が多い気がしますね、、。


おおぐま座のモデルになったのは、カリストという美しい女性です。

カリストは、月と狩の女神アルテミスに仕える侍女でした。

カリストはアルテミスにとても気に入られていました。


しかし、カリストはアルテミスの父である大神ゼウスに見初められ、

男の子を身ごもってしまいます。


侍女カリストの不貞に腹を立てたアルテミスは、

カリストをおおぐまの姿に変えてしまいました。

そして熊になったカリストを森の奥へと追いやってしまいました。


それから時はたち、カリストが生んだ男の子アルカスは、

狩の名手となり、立派に成長しました。

ある日、熊になったカリストが森の中を歩いていた時のこと、

成長して立派な狩人になったアルカスとばったり出会います。


カリストは、息子の姿をみて喜びのあまり近づいて行きましたが、

アルカスはその熊が母親であることを知りません。

そして、アルカスによってカリストは矢で射抜かれてしまいます。


これを見ていたゼウスはこの親子を哀れに思いました。

そしてカリストおおぐま座に、アルカスをこぐま座にしました。


悲しき親子の物語が、おおぐま座こぐま座にはあるんですね。

4.まとめ

いかがでしたか?

おおぐま座には、とても大切な北斗七星がありましたね。

航海術や視力検査に使われてきましたが、現代の私たちも実際に使えます。

人間は進化しても、夜空はずっと変わらないんですね。

カリストの神話の話も覚えておくと、夜空をより楽しむことができそうですね!