星空男子~東大生かなたのブログ~

星空好きな東大生が、星空と神話の記事を書いています。

こと座|ベガとリング星雲(M57) 悲しいオルフェウスの神話

1.こと座(Lyra)の基本情報

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出典: pixabay

こと座(Lyra)は夏の代表的な星座です。

1等星のベガは、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルとともに

夏の大三角を成しています。

ベガは七夕伝説の織姫星として有名ですね。

ベガは夏の星座の中ではもっとも明るい星で、0.0等級の明るさとなっています。

とても明るいため、とっても簡単に見つけることができます。

その明るさから「真夏のダイヤモンド」「空のアーク灯」などと呼ばれたりもします。

2.こと座の神話 |悲しい話・オルフェウスのたて琴

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出典: pixabay

オルフェウスは、音楽の女神カリオペーとトラキア王の間に生まれた、

ギリシャで一番の音楽家でした。

オルフェウスがたて琴を演奏すると、その音色の美しさから

猛獣でさえ、おとなしく音楽に聞き入ってしまったそうです。

 

オルフェウスは、美しい妻エウリディケとともに新婚生活を楽しんでいました。

しかしある日、エウリディケは草むらに隠れていた毒蛇に噛まれてしまい、

亡くなってしまいました。

悲しみにくれたオルフェウスは、死者の国から

エウリディケを連れ戻すことを決意します。

オルフェウスがエウリディケへの愛を歌い、たて琴を演奏すると

草木が死者の国への道を示してくれました。

その後も地獄の番犬ケルベロスや、三途の川の渡し守カロンに行く手を阻まれますが、

たて琴の演奏で感動させ、道を進んでいきました。

そしてオルフェウス冥界の王ハデスのところまでたどり着きました。

オルフェウスはハデスに願いを伝えるため、ハデスの前で情熱的な演奏をしました。

するとハデスは演奏に感動し、生まれて初めて涙を流したと言われています。

冥王ハデスは、オルフェウスがエウリディケを連れ戻すことを許しました

ただし、そこにはある条件がありました。

「冥界を出るまで、決して後ろを振り返ってはならない。」

オルフェウスはエウリディケの手を引き、地上への道をぐんぐん進んでいきました。

そして地上の光が見えた時オルフェウスは幸せに満ちあふれました。

これでまた、エウリディケと一緒に暮らせるんだ!


その時、あまりの喜びにオルフェウスはつい後ろを振り返ってしまったのです。

その瞬間、エウリディケは煙のように消えてしまいました。

 

ひとり地上に戻ったオルフェウスでしたが、

エウリディケを失った悲しみは深く、彼は大変苦しみました。

そしてついにオルフェウスは死んでしまいました。


その後、音楽の神アポロンオルフェウスを偲び、

彼のたて琴を夜空に上げて、星座にしたそうです。


こと座には、こんなに悲しい神話があったんですね、、

3.リング星雲(M57)とダブルダブルスター

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                                  出典: NASA/JPL-Caltech/ESA, the Hubble Heritage Team STScI/AURA

こと座は小さいですが、天体観測に人気の天体がいくつかあります。

この画像のリング星雲(M57)は、美しいですね。ドーナツ星雲とも呼ばれています。

太陽の数倍の質量を持つ恒星が寿命を迎え、

ガスを大量に放出することによって見られる天体です。

ドーナツ星雲とも呼ばれるため、中央部は空洞に見えますが

中には物質がぎっしり詰まっているそうですよ。

ダブルダブルスターは、ベガのすぐお隣にある二重星です。

肉眼では4等星に見えますが、これを望遠鏡で見ると

4.6等星・4.7等星の二重星だと言うことがわかります!


それにしても可愛い名前ですね、、だぶるだぶるすたー笑

まとめ

いかがでしたか?

こと座は小さいですが魅力がたくさんある星座でしたね。

ベガはとても明るく、簡単に見つかるので、ぜひ夏の夜空を探してみてくださいね。

こと座の神話は悲しい物語ですが、人に話せるとロマンチックですよね!